2017年9月25日発行 大西 朋 第一句集 『片白草』(ふらんす堂)

四六判ソフトカバー装 178頁 定価2500円+税
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朋さんの俳句は、言葉の一つ一つが
ソプラノリコーダーの音のように素直で快い。
心静かに耳を傾ければ、作者のなつかしい風景が
読者のなつかしい風景でもあることに
気づかされるはずだ。
小川軽舟

  

 


 

<< 掲 載 新 聞 >>

2017年12月9日『愛媛新聞』
季のうた 土肥あき子
生きてゐるうちもつめたき海鼠かな
他の体温を持つ生物が迎える冷たい死の世界を想像させるのだ。生者の世界にいながら死者の冷たさを持つ海鼠に言い知れぬ不安を覚える。

2017年11月27日『朝日新聞』
朝日俳壇 風信
透明感のあるまっすぐな言葉が印象的。
かはほりのきゆつと縮みし眼かな

2017年11月26日『東京新聞』
東京俳壇 句の本
自然に身を置く畑生活を始めて九年。虚飾のない俳句を極める。
身支度のものの五分や桃の花
素潜りの足裏ましろき晩夏かな

2017年11月14日『沖縄タイムス』
俳句はいま<11月> 関悦史
重き戸を引いて出入りや草の花
縁先に白菜積まれ猫眠る
などの身近で懐かしい句材は軽舟に似るが、
白き花流れて来る浮巣かな
寄居虫の組み合ひ波にさらはるる
の詩性は魚目に通じるようだ。物の実在感を重く残しながら、句は蒸留したように澄んだ仕上がりとなっている。

2017年10月14日『読売新聞』
四季 長谷川櫂
秋晴の船みな小さき港かな
この句、港の見える丘から見わたす横浜港を思い出させる。あまりに秋空が広大なので何もかも小さく見える。

2017年10月16日『毎日新聞』
俳句月評 櫂未知子
俳句は新聞の記事ではないから、あれこれ情報を盛り込む必要はない。ただ、何をつかんでくるか、のみだろう。
蘭鋳やみづうみ見ゆる通し土間
これらの作品に見られるのは、日常の一瞬を切り取って一句に仕上げること以上は望まない態度である。それは、次の二句にも見ることができる。
汝が置きし手袋雨の匂ひせり
畑のもの抜きに出てをり初筑波
この句集は読み手を信じ、ごく静かに評価を待っているように思えた。

<< 掲 載 雑 誌 >>

2017年11月20日『俳句四季』
一望百里 二ノ宮一雄
白梅や脇より入りて寺しづか
麦秋や洗ひ晒しの日章旗
交番の畳二畳や日脚伸ぶ
いずれの句も事物の把握が具象的で適確である。実に上手い。季語との照応に一分の隙もなく詩性に富んでいる。

<< 掲 載 結 社 誌 >>

2017年12月『都市』第10巻通巻60号
受贈句集より一句 中西夕紀抄出
新松子身を湿らする海の風

2017年12月『椋』第79号
季節の俳句<冬> ―山雀亭の書棚から― 石田郷子
汝が置きし手袋雨の匂ひせり

2017年12月『天為』第28巻第4号通巻328号
新刊見聞録 渡辺有紀子
陽だまりのような暖かさ、明るさが本句集の作品の特徴と言える。
身支度のものの五分や桃の花
この作品などは、細見綾子の<ふだん着でふだんの心桃の花>を彷彿とさせるが、細見作品の信条とは別の、平素の生活の中にある清潔感が感じられる。

2017年12月『門』第32巻第12号通巻372号
十二月の俳句 長浜勤抽出
汝が置きし手袋雨の匂ひせり

2017年12月『きたごち』第29巻第12号通巻345号

酔ひさます闇に柊匂ひけり

2017年12月『萌』第20巻第12号通巻240号
句集紹介 大内さつき
身支度のものの五分や桃の花
かはほりのきゆつと縮みし眼かな
園丁のまはり離れず秋の蝶
どこからも子供飛び出す春の山
爽やかな句群。

2017年11月『湧』第130号
受贈句集より(十月)に5句抽出
身支度のものの五分や桃の花
白藤や人に懐かぬ寺の猫
花冷や分厚き本の文字小さき
畑のもの抜きに出てをり初筑波
教室のワックス匂ふはたた神

2017年11月『沖』第48巻第11号
沖の沖 能村研三 抽出
猪垣に金色の紐銀の紐

2017年11月『雲の峰』通巻317号
句集・著作紹介 播广義春
身支度のものの五分や桃の花
あとがきに「俳句生活十二年。畑生活九年。今年家の畑に初めて雉の親子が現れた。(中略)俳句のために始めた暮らしである。あらためて大切にしていきたいと思う」と記す。著者の第一句集である。

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