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二〇〇五年夏の俳句

梅干す手止めては空を仰ぎけり*
 
白南風やタアメリツクをまき散らし
 
八月や真白き句帳前にして


二〇〇五年秋の俳句

月仰ぎけふの一句となりにけり
 
観覧車しづかに回る月下かな+
 
月白に大道芸人火をつかふ*
 
新藁であぶりし魚の片身かな
 
紅玉を甘く煮てゐる午後となり
 
輪になつて芋むいてをり鍋支度
 
気に入りし赤き筆入れ秋夕焼
 
賢治忌や列車の音の遠ざかる
 
天井の高し廊下に大ばつた
 
秋の日のステンドグラス透かしたり
 
開館を待つ人ばかり秋の蝶
 
天高しティラノザウルス海渡る
 
足元にこほろぎの居て雨宿+


二〇〇五年冬の俳句

川なかに青きもの立ち冬うらら+
 
美しき掃き目のあとや枯蟷螂
 
美しき掃き目のあとや神無月+
 
梟や三百年の旅籠にて
 
三人で囲める火鉢雨の音
 
雨あとや廊下の先の冬紅葉
 
大きいサンタ小さいサンタ点滅す*
 
雪晴れやみな美しく見えてをり
 
息白く大仏さまを見上げをり
 
モンゴルへ帰る人あり冬の月+
 
星冴ゆる絶対零度といふ世界+
 
臘梅やあおぞらのなほあおぞらに