![]() |
![]() |
![]() |
二〇〇七年春の俳句(一)
薄氷を割つて泥水溢れ出し+
|
二〇〇七年春の俳句(二)
啓蟄の川底のぞきゐたるかな
|
二〇〇七年春の俳句(三)
一本の木に集合や春の午後
|
二〇〇七年春の俳句(四)
実直な車内放送春うらら*
|
二〇〇七年夏の俳句(一)
何といふことなき広場風薫る*
|
二〇〇七年夏の俳句(二)
紅刷いて大山蓮華開きけり
|
二〇〇七年夏の俳句(三)
日盛の音消えてゆく町の中
|
二〇〇七年夏の俳句(四)
昼顔や風吹いてゐる文士村
|
二〇〇七年夏の俳句(五)
大学はどこも緑の濃きところ
|
二〇〇七年夏の俳句(六)
黴臭き部屋に集ひし句会かな
|
二〇〇七年夏の俳句(七)
黒揚羽前へ後ろへ草田男忌
|
二〇〇七年秋の俳句(一)
八月や短き船の旅を終へ
|
二〇〇七年秋の俳句(二)
靴嫌ふ子に靴履かせ秋の風
|
二〇〇七年秋の俳句(三)
賢治忌の草鉄砲を鳴らしけり*
|
二〇〇七年秋の俳句(四)
秋天や港の手入れ怠らず
|
二〇〇七年冬の俳句(一)
思ふやうにボート進まず日短*
|
二〇〇七年冬の俳句(二)
境内に水音を聞く神の留守
|
二〇〇七年冬の俳句(三)
道なりに行きつくところ冬の堂
|
二〇〇七年冬の俳句(四)
店番をしつつマフラー編んでをり
|
二〇〇七年冬の俳句(五)
冬薔薇棘びつしりとあらはれり
|
二〇〇七年冬の俳句(六)
春近し競歩のやうに道を行く
|
二〇〇七年冬の俳句(七)
赤き実を埋めて雪の白さかな |